エクィティの資金提供者は、事業主体が利益を上げれば、株式配当などを通じて利益の分け前 にあずかれる。しかし、経営がうまくいかず、期待された利益を上げることができないときは、 期待した配当を得られず、低採算の投資収益に甘んじざるを得ない。確実に金利収入が入るデッ トの資金提供者との違いである。 さらに事業主体が倒産にまで至ると、残余財産はまず金融機関などのデットの資金提供者に返 済され、それでも余裕があればエクイティ供与者に返済されるにすぎない。 その意味で、エクイティ・ファイナンスに応じるということは、デット・ファイナンスに応じ 金利が高くなっても、債務者の他の資産と切り離して資金を調達したほうが得かどうかを検討す る必要がある。 133第5章不動産ファイナンスのルール この点については、「モジリアニⅡミラーの定理」があり、一定の前提の下ではあるものの、 「法人税がなければ、企業の総価値はその資本榊成(負債と自己資本の割合)とは無関係である」 ということが証明されている。要するに、デットとエクイティをどのように組み合わせても、そ れによって企業の価値が変わるものではないということだ。ただし、「法人税がある場合には、 借り入れなどの負債で資金を調達したほうが、支払金利分の節税ができるので、負債によって資 金調達するほうが有利である」とされている。